21年焼酎・泡盛売り上げ 上位50に鹿児島の22社、都道府県別で最多 コロナ直撃、39社が減収 「巣ごもり需要」でカバーできず

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 帝国データバンク福岡支店は25日、全国の焼酎・泡盛メーカーの2021年(1~12月期)売上高上位50社を発表した。鹿児島は前年より1社少ない22社で都道府県別で最多、合計売上高は前年比5.5%減の647億円で2位だった。
 50社の総売上高は4.0%減の2793億円。新型コロナウイルスの影響で、8割近い39社が減収となった。緊急事態宣言や酒類提供自粛の長期化で外食向け販売が激減し、巣ごもり需要の取り込みではカバーできない企業が目立った。
 トップは10年連続の霧島酒造(宮崎県都城市)で、4.1%減の599億円だった。2位は三和酒類(大分県宇佐市)で0.6%減の427億円、3位はオエノングループ(東京)で2.5%減の383億円だった。
 鹿児島からは濵田酒造(いちき串木野市)が6.6%増の137億円で5位に入った。女性をターゲットにした商品やネット販売が好調で、前年から一つ順位を上げた。7位に薩摩酒造(枕崎市)、8位に若松酒造(いちき串木野市)と続いた。9位の本坊酒造(鹿児島市)は、ワインやウイスキーがけん引し6.7%伸びた。
 50社の売上高合計を比較可能な調整データでみると、ピーク時の08年から約2割減っている。同支店は「人口減少や若者の酒離れといった課題を抱える中でコロナ禍が直撃した。原材料価格の高騰で今後も厳しい状況が予想される。消費者ニーズに合った商品開発やブランド価値の向上が欠かせない」と指摘した。
 都道府県別売上高は、6社が入った宮崎が2.1%減の808億円。3位は4社の大分で2.6%減の589億円だった。
 調査は、売上高に占める焼酎・泡盛の割合が5割以上の製造業者が対象。焼酎・泡盛以外の売り上げも含み、公表に同意した企業を集計した。
 11~50位の鹿児島県内メーカーは次の通り。
 (13)大口酒造(伊佐市)(16)三岳酒造(屋久島町)(17)岩川醸造(曽於市)(18)長島研醸(長島町)(21)町田酒造(龍郷町)(22)新平酒造(大崎町)(24)田苑酒造(薩摩川内市)(27)奄美大島開運酒造(宇検村)(33)萬世酒造(南さつま市)(35)小鹿酒造(鹿屋市)(36)佐藤酒造(霧島市)、奄美大島にしかわ酒造(徳之島町)(39)白玉醸造(錦江町)(41)さつま無双(鹿児島市)(42)大海酒造(鹿屋市)(44)霧島町蒸留所(霧島市)(45)大隅酒造(曽於市)(47)若潮酒造(志布志市)

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