「新たなファン増やしていく」芋焼酎アサヒの老舗メーカー 再生企業に株式譲渡

[10/17 19:46]

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芋焼酎「アサヒ」で知られる1920年創業の老舗酒造会社・鹿児島県霧島市の日當山醸造が、経営不振のため、酒造会社の事業再生を手がける企業に株式を譲渡し、新たな体制で再スタートすることになりました。
(田中文悟・新社長)
「103年の歴史を引き継ぐ重責をとても強く感じております」
17日は、今月16日付けで就任した田中文悟新社長と、前の社長でアドバイザーに就任した小牧一郎さんが会見を開いて、新体制について説明しました。
日當山醸造は、大正9年=1920年に創業した霧島市隼人町の老舗の酒造会社です。創業以来、作り続け、骨太な風味が特徴の芋焼酎「アサヒ」を主力商品に焼酎などを製造・販売してきました。
しかし、その売上は2001年の8億円をピークに減少に転じ、先月までの1年間の売上は8000万円と10分の1にまで減少。ここ10年は連続で赤字になるなど、負債額は1億5000万円に上り、経営難に陥っていました。
小牧前社長は一時は廃業も考えたといいますが、そこで知ったのが「日本酒キャピタル」の存在でした。
「日本酒キャピタル」は、1976年に南九州市で生まれ、酒類関係の複数の企業で役員として経営再生に関わった田中文悟社長が去年立ち上げた酒造メーカーの再生に取り組む企業です。これまでに手がけたのは3件で、秋田の酒蔵では売り上げを3年間で5倍に増やしました。
小牧前社長が事業譲渡を相談し、今月16日の株主総会で株式の3分の2を譲渡することが承認され、田中新社長のもとで再スタートすることになったのです。
(小牧一郎・前社長)
「感謝の気持ちしかない。これからすごくいい会社にまたなっていくだろうというのが見えた。田中さんに託す」
(田中文悟・新社長)
「既存のファンのみなさんを安心させることと、新しいファンをいかに広めていくか。どういう杜氏がいて、どういう蔵人がいるのかという、蔵の中の映像をしっかりとファンのみなさんに伝える活動をまずはしていきたい」
新体制では従業員の雇用は維持しますが、主力のアサヒはラベルは明るく一新し、季節限定の焼酎を造るなどの取り組みを始めます。そして、3期目で2億円の売り上げを目指すとしています。
新型コロナの影響による需要減少もあり、県全体の本格焼酎出荷量も減るなど、業界自体も厳しい中で始まる老舗メーカーの再生に向けた取り組み。その行方が注目されます。

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